突発性難聴について説明します。突発性難聴は、原因がはっきりしないまま、急激に片耳の聴力が低下する病気です。多くは数時間〜1日以内に症状が完成し、以下を伴うことがあります。
- 耳が詰まった感じ
- 耳鳴り
- めまい・ふらつき
痛みや発熱がないことも多く、「疲れているだけかな」と見過ごされやすい点が特徴です。突発性難聴は、早く気づき、早く治療を始めることが何より重要な病気です。
考えられている原因
突発性難聴は一つの原因では説明できません。以下の要因が複合的に関与すると考えられています。
① 内耳の血流障害
耳の奥にある内耳(蝸牛)は、音を電気信号に変える非常に繊細な器官です。
この内耳は、
- 血管がとても細い
- 代替の血流ルートがほぼない
という特徴があります。
そのため、
- 一時的な血流低下
- 血管のけいれん
- 血液がドロドロになる状態
が起こると、一気に聴力が低下してしまう可能性があります。動脈硬化、脱水、睡眠不足、喫煙、強いストレスなども血流障害を助長すると考えられています。
② ウイルス感染説
突発性難聴の発症前に、
- 風邪気味だった
- 喉の痛みや倦怠感があった
という方も少なくありません。
これは、
- ウイルスが直接内耳に炎症を起こす
- あるいは、体の免疫反応が内耳を誤って攻撃する
といった可能性が考えられています。
特にヘルペスウイルス系との関連が研究されていますが、確定的な証明はまだありません。
③ 強いストレス・自律神経の乱れ
強いストレスや過労が関与している可能性も指摘されています。
- 仕事が極端に忙しかった
- 精神的ショックがあった
- 睡眠不足が続いていた
こうした状況では、自律神経のバランスが崩れ、
- 血管が収縮しやすくなる
- 内耳の血流が低下する
結果として、突発性難聴を引き起こす可能性があります。「耳の病気」ですが、全身状態や心の状態とも深く関係していると考えられています。
④ 免疫・自己免疫の関与
一部では、
- 体の免疫システムが
- 誤って内耳を攻撃してしまう
という自己免疫的な仕組みも疑われています。
特に、
- 自己免疫疾患を持つ方
- ステロイド治療に反応が良いケース
では、この関与が示唆されることがあります。
⑤ その他の関連因子
以下のような要因も、直接の原因ではなくても発症の引き金になる可能性があります。
- 高血圧・糖尿病
- 喫煙
- 強い騒音への暴露
- ホルモンバランスの変化
突発性難聴は、
複数の要因が重なった結果、ある日突然発症する
と考えるのが最も現実的です。
- ストレス
- 体調不良
- 血流の変化
これらが同時に起こったとき現れることが考えられています。
治療方法
① ステロイド治療
- 内耳の炎症を抑える
- 免疫反応を調整する
- むくみを軽減する
② 血流改善を目的とした治療
- 内耳の血流を改善する目的
- 脱水を防ぐ
③ 安静・休養
- 十分な睡眠
- 仕事や家事の負担軽減
- ストレスを減らす環境調整
回復には個人差がありますが、傾向としては:
- 軽症 × 早期治療 → 改善しやすい
- 重症 × 治療開始が遅い → 後遺症が残る可能性
耳鳴りだけが残る、聞こえにくさが一部残る、というケースもあります。
まとめ
- 突発性難聴は突然起こるが、決して珍しくない病気
- 原因は一つではなく、体と心の負担が重なった結果
- 早期治療が予後を大きく左右する
- 薬+休養+ストレス軽減が治療の柱
突発性難聴について、心配な方は、スカイアーチ メディカル クリニック ブリスベンにご相談ください。
日本人医師:長島達郎
参考文献:
1. RACGP(Royal Australian College of General Practitioners)
Management of sudden sensorineural hearing loss
2. Queensland Health
Sudden / Rapid Onset Hearing Loss




