円形脱毛症は、突然髪の一部が円形・楕円形に抜けてしまう自己免疫性の疾患です。多くの患者様が最初に抱くのは「なぜ急に?」「何か悪い病気では?」という不安ですが、この病気は感染症でもなく、人にうつることもありません。
原因はひとつではありませんが、近年の研究では、精神的ストレスや身体的ストレスが発症や悪化の大きな引き金になることがよく知られています。過労、睡眠不足、環境の変化、人間関係の悩み、身体の病気や疲労などが重なると、体の免疫バランスが崩れ、毛根が一時的に免疫の攻撃対象になってしまうことがあります。これは「気の持ちよう」という問題ではなく、ストレスが体内のホルモンや免疫機能に実際に影響を及ぼす生理学的反応です。
ただし、ストレスは“直接的な唯一の原因”ではなく、体質・免疫反応・遺伝的要因と組み合わさって発症すると考えられています。患者様自身の生活習慣や努力不足が原因ではありませんし、誰にでも起こり得る一般的な病気です。
良い点として、円形脱毛症は自然に回復することが多い疾患であり、適切な治療とストレス管理によって改善が期待できます。心理的な負担も大きい症状ですが、当院では医学的根拠に基づいた治療と生活サポートを行い、安心して治療に取り組んでいただけるよう支援いたします。
主な症状
- 頭皮に丸い、または楕円形の脱毛パッチが突然できる
- 皮膚は赤くならず、なめらかに見えることが多い
- ときに軽いかゆみや違和感が出ることもある
- まゆ毛、まつ毛、ひげ、体毛に出る場合もある
多くの患者様はその他の健康状態は良好です。
原因
はっきりとした原因はまだ分かっていませんが、以下の要因が関わると考えられています。
- 自己免疫の反応
- 遺伝的な体質
- ストレス(精神的・身体的)
- 他の自己免疫疾患(甲状腺疾患、白斑など)との関連
年齢に関わらず発症する可能性があります。
治療方法
症状の範囲や年齢、希望に合わせて治療を選びます。
① 塗り薬・ステロイド注射
小さい範囲の脱毛の場合に有効。
ステロイド外用薬
② 発毛を促す外用薬
③ 皮膚科専門治療
皮膚へのステロイド注射など。
予後
- 6~12か月で改善する方が多い
- 若年発症、複数の脱毛パッチ、家族歴がある場合は再発しやすい傾向
- 頭髪全体や体毛全体が抜けるタイプは専門的管理が必要
受診をおすすめする場合
- 急速に脱毛が広がる
- まゆ毛やまつ毛にも影響がある
- 家族に自己免疫疾患がある
- 爪の変化(点状陥凹、縦線など)がみられる
- 脱毛が原因で不安やストレスが強い
血液検査(甲状腺機能など)や皮膚科紹介が必要になる場合があります。
まとめ
円形脱毛症は、免疫の働きによって毛根が一時的に休止状態になる病気です。多くの場合は自然に改善しますが、軽症例では、数か月以内に自然に発毛が始まることが多いです。ただし、再発を繰り返す方もいます。
広範囲に及ぶ場合や長期間改善がみられない場合は、専門的治療が必要です。
早期の評価と適切な治療により、良い経過が期待できます。お悩みの方はスカイアーチメディカルクリニックブリスベンにお気軽にご相談ください。
オーストラリアの日本人医師:長島達郎
参考
Australasian College of Dermatologists (ACD) – A–Z Skin: Alopecia Areata
https://www.dermcoll.edu.au/atoz/alopecia-areata-2/
Australia Alopecia Areata Foundation (AAAF)
https://aaaf.org.au/




