B型肝炎ワクチンについて、解説します。特に日本人にとってのB型肝炎ワクチンの重要性に焦点を当てて解説します。2016年以前に生まれた方には特に大事な情報です。
B型肝炎とは?
B型肝炎ウイルス(HBV)は、血液や体液を介して感染し、急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変・肝がんといった深刻な肝疾患につながる可能性のある感染症です。感染すると生涯にわたって健康に影響を及ぼすこともあり、特に幼少期の感染では90%以上が慢性化するとされています。
日本におけるB型肝炎ワクチンの制度
- 日本では2016年10月以降に生まれた乳児に対して、B型肝炎ワクチンが定期接種(公費)として導入されました。従って2016年以降に生まれて日本の定期接種を受けている現代のお子さんたちは、B型肝炎ワクチン接種済みということでほぼ問題ないと言えます。
- それ以前に生まれた方(特に1980年代~2000年代前半生まれ)は、任意接種が主流で、未接種のまま成人している人が非常に多いのが現状です。
なぜ2016年以前に生まれた人は注意が必要なのか?
理由 | 内容 |
接種制度がなかった | 定期接種が導入される前は、接種は任意で、実施率は非常に低かった。 |
母子感染予防は限定的だった | 出産時のスクリーニングは行われていたが、全体へのワクチン普及は不十分。 |
抗体がないまま成人 | 自然感染もワクチン接種もない人は、抗体がなく、感染リスクがある。 |
海外では標準接種 | オーストラリアなど多くの国では、B型肝炎ワクチンは出生直後からの定期接種である。 |
接種を特におすすめする日本人の例
- 2016年以前に生まれたすべての人
- 自身の抗体の有無を確認し、必要であれば3回のワクチン接種が推奨されます。
- 海外渡航予定者(留学・仕事・長期滞在)
- 海外ではB型肝炎がより一般的であり、感染リスクが高くなります。
- 医療や介護など血液・体液に触れる職業の人
- 性行為からの感染リスクがある人(性風俗で働く方々は特に)
- 家庭内に感染者・キャリアがいる人
ワクチン接種について
- 通常スケジュール:0か月、1か月、6か月の3回接種
- 加速スケジュール(急ぐ場合):0日、1か月、2か月、12か月の4回接種
- 接種後抗体確認:必要に応じて血液検査(HBs抗体検査)で免疫獲得を確認
まとめ
2016年以前に生まれた日本人の多くは、B型肝炎ワクチンを一度も接種していない可能性が高く、今後の健康を守るためには早期の接種・抗体確認が強く推奨されます。特に上記に示した状況に当てはまる方々には、B型肝炎ワクチン接種が薦められます。B型肝炎ワクチンはスカイアーチメディカルクリニックで受けられます。お気軽にご連絡ください。
参照: