爪周囲炎(パロニキア)は、爪の周囲の皮膚に起こる感染症です。指や足の爪の周りが 赤く腫れて痛み、時には膿(うみ)がたまることがあります。
特に、飲食業(レストラン勤務など)や農業などの肉体労働に従事する方は、水・土・器具に触れる機会が多いため、指先に小さな傷ができやすく、爪周囲炎を発症しやすい傾向があります。
早期に治療すれば深刻な問題になることは少ないですが、放置すると感染が指の奥に広がり、膿瘍形成や骨の感染(骨髄炎)、あるいは爪の変形を起こすことがあります。
危険因子(リスク要因)
次のような場合、爪周囲炎になりやすくなります:
- 爪を噛む、いじる、むしる習慣がある
- 爪を深く切りすぎる、甘皮(キューティクル)を切りすぎる
- 巻き爪がある
- 水仕事を頻繁に行う(皿洗い、清掃、介護、飲食業、医療職など)
- 使い捨てではない手袋や通気性の悪い手袋を長時間使用する(汗や細菌がこもるため)
- アトピー性皮膚炎や湿疹などの皮膚疾患がある
- 石けん、洗剤、化学物質への反復曝露
- 糖尿病や免疫力の低下がある
- 爪の衛生状態が悪い、または真菌感染(爪白癬)がある
症状
- 爪の周りの赤みと腫れ
- 圧痛やズキズキする痛み
- 膿の貯留(膿瘍)
- 指や爪の使用が困難になる
治療
- 膿の排出
- 膿がたまっている場合は、小さな処置で排膿することがあります。
- 薬の使用
- 細菌感染が疑われる場合は、内服抗生物質を処方
- 抗菌軟膏を塗布
- 慢性や真菌性の場合は、抗真菌薬を使用することがあります
予防
- 爪は短すぎず整えて切る
- 皮を切りすぎない
- 爪を噛んだりいじったりしない
- 水仕事や化学物質を扱うときは、使い捨てまたは綿裏地付き手袋を使用する
- 爪と手を清潔に保ち、乾燥しすぎないよう保湿する
- 真菌感染(爪水虫や手足の水虫)がある場合は早めに治療する
症状がある場合や不安があるときは、SkyArch Medical Clinic Brisbaneにご連絡ください。
オーストラリアの日本人医師:長島達郎
参考:
- DermNet NZ – Paronychia
https://dermnetnz.org/topics/paronychia - Mayo Clinic – Paronychia (nail infection)
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/paronychia/symptoms-causes/syc-20355604 - MSDマニュアル家庭版 – 爪の感染症(日本語)
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/skin-disorders/nail-disorders/paronychia-nail-fold-infection - eMedicine – Paronychia Overview
https://emedicine.medscape.com/article/1106062-overview




