細菌性膣炎 (Bacterial Vaginosis: BV) について解説します。
BV は女性の膣のおりものの原因となる最も頻度の高い疾患です。
約1/3の女性が世界中でこの疾患にかかっていると言われています。またそのうち1/2の人が再発を経験すると報告されています。症状としては先に述べたように膣からの悪臭を伴うおりものですが、無症状のこともあります。また合併症として流産、 早産、子宮の感染症などを起こすことがあると考えられています。
原因は様々な 細菌の感染が考えられていて、特定のこれといった 細菌を見つけづらいのが診断と治療を難しくしています (Gram variable coccobacilli: Gardnerella vaginalis and Bacteroides species, anaerobic organisms: Mobiluncus spp., Fusobacterium spp., Prevotella spp. and Peptostreptococcus spp. and genital mycoplasmas: Mycoplasma hominis and Ureaplasma urealyticumなどの菌の関与が考えられています) 。さらに治療をしても再発ということがよくあります。したがって 多くの女性が悪臭を伴うおりものに長い期間悩むことがありえる疾患です。
治療は経口抗生物質か、もしくは抗生物質クリームで行います。
最近 オーストラリアの研究で BV は性病と考えるべきだというものが発表されました。これにより 女性だけでなく、その男性パートナーの治療も行うと、この病気の再発が防げるという発表がされています。今まではこの病気に悩む女性に対して、治療は女性にのみ行うということが一般的でしたが 、そのパートナーである 男性も治療するというのは理にかなっていると考えられます。
それにより、この難しい 疾患が良くなると考えれば、この治療を試す価値は十分にあると考えられます。
BVに悩んでいる方は、当院にお気軽にご相談ください。
医師:長島達郎
参照