Neffy®(ネフィー)は、針を使わない経鼻(点鼻)アドレナリン製剤で、アナフィラキシーの緊急治療に使用されます。
現在、オーストラリアではTGA(Therapeutic Goods Administration)に承認登録済みで、従来の筋肉注射型自己注射器(例:EpiPen® など)に加わる新しい選択肢です。
■ 用量(TGA承認内容)
- Neffy® 2 mg:体重 30kg以上の小児・成人
- Neffy® 1 mg:15–30kg(4歳以上)の小児
※必要に応じて5分後に2回目投与が可能。
※初回投与後は必ず救急要請(000)し、病院搬送が必要です。
■ 使い方
- アナフィラキシー症状出現時に、片側の鼻腔へ1回噴霧
- 症状が持続/再燃する場合は約5分後に追加投与
- 投与後は必ず救急受診
■ メリット
- 針不要(針恐怖の患者に有用)
- 介助者が使いやすい
- 注射事故リスクがない
■ 注意点
- 現在はPBS未収載(自費)
- 鼻粘膜の状態(重度鼻閉など)により吸収に影響する可能性
- 国際的ガイドラインでは依然として筋肉内アドレナリン(IM)が標準治療
■ EpiPen®自己注射との比較
| 項目 | Neffy®(経鼻) | EpiPen®等(筋注) |
|---|---|---|
| 投与経路 | 鼻腔内 | 大腿外側筋肉内 |
| 針 | なし | あり |
| ガイドライン位置付け | 新しい選択肢 | 従来の第一選択 |
| 携帯推奨 | 2本 | 2本 |
■ ポイント
- ASCIAアナフィラキシーアクションプランに組み込むこと
- 依然として早期アドレナリン投与が最重要
- デバイスの違いよりも「迅速投与」が鍵
- 高リスク患者には2本携帯を指導
■ まとめ
Neffy®は、TGA承認済みの経鼻アドレナリン製剤であり、オーストラリアにおいて新たなアナフィラキシー治療の選択肢となります。Neffy®は鼻にスプレーするだけで使用できるため、使いやすく安心感のある治療選択肢です。ただし、現時点では筋肉内アドレナリンが標準治療であり、いずれのデバイスでも迅速投与と救急搬送が最優先です。
オーストラリアで働く日本人医師:長島達郎




