〜蜂・スズメバチ・アリなどの刺傷、抗生剤が必要な場合、そして稀な合併症について〜
ブリスベンでは温暖な気候のため、虫刺されは日常的に起こります。
多くは軽症ですが、蜂・スズメバチ・アリ(特にファイアアント)などの毒をもつ虫は、強い炎症やアレルギー反応を引き起こすことがあります。
さらに場合によっては:
- 蜂窩織炎(細菌感染)
- 強いアレルギー反応(アナフィラキシー)
- まれにコンパートメント症候群
といった合併症につながることもあります。
虫刺されの種類
蚊・サンドフライ
- 主に唾液によるアレルギー反応
- かゆみが主体
- 数日で自然改善
蜂・スズメバチ
- 毒を注入
- 強い炎症反応
- 痛みが強い
- スズメバチは複数回刺すことが可能
アリ(特にファイアアント)
- 強い毒性
- 刺された後に水疱形成
- 強いかゆみと痛み
- 多数刺されると全身症状のリスク
オーストラリアではファイアアント(Red Imported Fire Ant)による刺傷が問題になることがあります。
通常の局所反応
- 赤み
- 腫れ
- かゆみ
- 軽度の痛み
- 熱感
通常は24〜48時間でピークを迎え、徐々に改善します。
大きな局所反応
蜂やアリなどの毒虫では:
- 手足全体が腫れる
- 皮膚が強く張る
- 広範囲に赤くなる
アレルギー反応
軽度:
- じんましん
- 全身のかゆみ
- 局所の強い腫れ
重度(アナフィラキシー)
- 呼吸困難
- 喉の違和感
- 唇や舌の腫れ
- めまい・意識消失
→ すぐに救急要請が必要です。
蜂窩織炎(Cellulitis)
虫刺され部位から細菌が侵入すると、蜂窩織炎(皮膚の細菌感染)が起こることがあります。
感染を疑うサイン:
- 赤みが拡大していく
- 痛みが増していく(かゆみより痛みが強い)
- 発熱
- 倦怠感
- 赤い筋(リンパ管炎)
抗生剤が必要な場合
ほとんどの虫刺されは抗生剤不要です。
しかし、以下の場合は抗生剤が必要です:
- 蜂窩織炎と診断された場合
- 発熱を伴う場合
- 赤みが拡大している場合
- 全身症状がある場合
- 免疫抑制状態の方
オーストラリアでは通常:
- セファレキシン(Cephalexin)
- フルクロキサシリン(Flucloxacillin)
などが使用されます(個々の状況により異なります)。
合併症:コンパートメント症候群
蜂・スズメバチ・アリなどで強い腫れが起こり、特に手足で圧が高まると、
コンパートメント症候群という重篤な状態になることがあります。
危険サイン:
- 強い激痛(通常より明らかに強い)
- 緊満感の増強
- しびれ
- 指先が冷たい・白い
- 動かしにくい
これは緊急手術が必要になる場合があり、直ちに病院受診が必要です。
受診の目安
- 腫れが悪化している
- 赤みが広がる
- 発熱がある
- 強い痛みがある
- しびれがある
- 多数の刺傷(特にアリ)
- 感染か判断できない
まとめ
✔ 蜂・スズメバチ・アリなどは強い反応を起こすことがある
✔ 感染した場合は抗生剤が必要
✔ 稀に重篤な合併症が起こる
✔ 不安な場合は早めの診察を
虫刺されについて、心配な方は、SkyArch Medical Clinic Brisbaneにお気軽にご相談ください。
オーストラリアで働く日本人医師:長島達郎
参考:
- Healthdirect Australia – Insect bites and stings
https://www.healthdirect.gov.au/insect-bites-and-stings - Australasian Society of Clinical Immunology and Allergy (ASCIA)
https://www.allergy.org.au/patients/insect-allergy-bites-and-stings - Australian Commission on Safety and Quality in Health Care – Cellulitis Clinical Care Standard
https://www.safetyandquality.gov.au/standards/clinical-care-standards/cellulitis-clinical-care-standard - Queensland Government – Fire Ant Health Information
https://www.fireants.org.au - Cleveland Clinic – Compartment Syndrome
https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/15315-compartment-syndrome




