ホームシックは、海外生活を送る多くの人が経験する一般的な問題ですが、その影響はしばしば過小評価されています。特に日本からオーストラリアに来られた留学生、ワーホリ、駐在員、ご家族の方々にとって、日本との距離、文化の違い、言葉の壁は大きな心の負担となります。
ホームシックは単なる「日本が恋しい」という気持ちにとどまらず、心と体の両方に影響を及ぼす複雑な心理的状態です。悲しみや孤独、不安や意欲の低下といった感情面だけでなく、胃痛や頭痛、不眠、疲労感などの身体症状として現れることもあります。放置すると、適応障害やうつ病、不安障害など、より深刻な状態に発展する可能性があります。
スカイアーチ・メディカルクリニック・ブリスベンでは、ホームシックを「医療的問題」として真剣に受け止めています。当院では日本語・英語の二言語で診療を行い、患者様が安心して自分の気持ちを表現できるよう支援しています。
ホームシックの症状
心理的・感情的症状
- 持続する悲しみ、涙もろさ
- 不安、パニック発作
- イライラ、怒りっぽさ
- 意欲低下、集中力の低下
- 孤独感、理解されない感覚
- 日本の家族や生活への過度な心配
- 「ここに居場所がない」という感覚
身体的症状
- 睡眠障害(不眠、過眠)
- 食欲の変化、吐き気、胃腸不良
- 頭痛、偏頭痛
- 倦怠感、エネルギー不足
- 動悸、胸苦しさ、息苦しさ
- 筋肉痛、肩や首のこり
- 皮膚症状(湿疹、ニキビ、じんましん)
- 風邪をひきやすい、治りが遅い
行動的症状
- 人付き合いを避け、孤立する
- 英語を使う環境を避ける
- 日本とのオンライン連絡に依存する
- 趣味や活動への興味喪失
- 「今すぐ日本に帰りたい」という強い衝動
英語の壁と自己肯定感の低下
多くの日本人にとって、オーストラリアでの生活で最も大きな課題の一つは英語でのコミュニケーションです。学校で英語を学んできた方でも、日常会話や職場でのやり取り、医療機関での受診に強いストレスを感じることがあります。
その結果:
- 話すことを避けてしまい、孤立感が強まる
- 間違いを恥ずかしく感じ、自信を失う
- 英語が得意な人と比べて劣等感を持つ
- 学業や仕事だけでなく、日常生活全般で自己肯定感が低下する
こうした経験が積み重なると、ホームシックを悪化させ、うつ病や不安障害のリスクを高めます。当院では、日本語で安心して話せる環境を整えることで、患者様の尊厳と自信を回復するお手伝いをしています。
スカイアーチでのサポート体制
スカイアーチでのサポートは医師からだけに限らず、チーム全体で患者様を支えます:
- 受付スタッフ:親切丁寧に予約や書類をサポート(日本語・英語対応)
- 看護師:優しいケア、健康指導、フォローアップの案内
- バイリンガル対応:誤解なく安心して症状や気持ちを伝えられる環境
- 医師:治療に加えて、傾聴・理解・心理的サポートを提供
ホームシックを感じている方は、早めにスカイアーチ メディカル クリニック ブリスベンにご相談ください。悩みを話してみること、これがまずは最初の大事なステップになります。オーストラリアに来て不安を感じている方のこれからやっていくべきことは、少しづつ安心できる要素を増やしていくことと言えます。スカイアーチで話してみることは、その安心できる要素の一つになりえます。オーストラリアに来て最初にできた友達が、医療者(スカイアーチ)であっていいのです。
日本人医師:長島達郎
参考
- RACGP – Mental health care in general practice
https://www.racgp.org.au/clinical-resources/clinical-guidelines/key-racgp-guidelines/mental-health - Beyond Blue – Coping with loneliness and homesickness
https://www.beyondblue.org.au - Study Australia – Coping with homesickness
https://www.studyaustralia.gov.au/en/living-in-australia/coping-with-homesickness - Healthdirect – Adjustment disorder and stress-related symptoms
https://www.healthdirect.gov.au/adjustment-disorder - Queensland Health – Mental health and wellbeing support
https://www.qld.gov.au/health/mental-health